2017/09/13

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ロングテールのマーケティングと長期的売り上げの戦略
今回は、マーケティングの中でも基本となる「ロングテール」について考えてみたいと思います。
ロングテールの考え方がわかれば、商品の売り方や広告・LP(ランディングページ)の見せ方、SEOでのキーワード戦略を考えるときにも役立ちます。
集客のWEB担当者の方は、「ロングテール」は常識として知っておくべきでしょう。
起業したばかりの個人事業主様、中小企業の経営者様の中には「マーケティングのことはほとんど分からない」という方が多いです。長期的な売上アップのために「ロングテール」について是非一緒に考えていきましょう。
ロングテールとはなにか
例によってまたGoogleのお世話になります。
「ロングテール とは」もしくは、「ロングテール とは マーケティング」などのキーワードで調べると検索画面トップにこのような解説がでてきました。
赤枠で囲った箇所をよくみてください。「ロングテール」の特徴をよく表している解説ですね。
「少量の販売で売り上げを出せる」「グラフがしっぽのように長いためロングテールと呼ぶ」
まさにその通りです。
「ポツポツと少量ずつしか売れない商品だが、長い期間で観察するとたくさん売れている」という考え方がロングテールなのです。
さらにロングテールを視覚的に理解しやすくするために、横軸に時間の経過、縦軸に商品・サービスの販売数量を設定してグラフ化してみました。
いかがでしょうか?
これで「ロングテール」のイメージはつかんでいただけたのではないでしょうか。
左側の黄色の部分は、たとえば「CM・広告などで注目を集め販売開始直後からたくさん売れている人気商品」などが該当します。
販売開始直後から一定の期間までは、たしかにたくさん売れますから短期で利益をいっきに上げる可能性のある目玉商品といえますね。
一方、右側の青紫色の箇所は、「人気商品」ほどではないが、定期的に少数ずつ売れる「サブ」的なポジションの商品です。
確かに、人気商品のように短期間で大きな売上を出すことは「サブ商品」には難しいかもしれません。
ですが、商品広告の見せ方を工夫したり、顧客視点で販売の切り口を変えて売るなどの戦略を立てていけば、長期にわたり利益を回収することが可能です。
ここで、グラフの左側(黄色)と右側(青紫色)の面積をよくみてください。少量販売のほうが多いようにも見えますよね?
当然ですが、グラフ内の面積は「販売数量の合計 = 売上」を意味しています。
長い視点で見るとき、短期で稼いだ人気商品の売上よりも少量販売の売上のほうが勝るケースもあるのです。
これがロングテールのマーケティング戦略です。
ロングテールで利益を長期化するためには多角的な視点が必要
商品をどうやって売るか。どうすれば結果を出せるか。
これはマーケッターの永遠の課題ですよね。
売上を出し続けるためには様々な角度から問題を見つめることが必要です。ロングテールのマーケティング戦略を考えるときも同じです。
- そもそもターゲット(顧客像)の選定は合っていたか?(仮説の再検証が必要)
- 水平思考で視点を変えてみれば販売の糸口が見つかるかも?(固定観念を捨てる)
- 販売フィールドに対する商品にミスマッチはないか?(フィールドとターゲットの再確認。データ分析)
- ターゲットの「ニーズ」「ウォンツ」をもう一度考え直す
このように、「売り方・切り口を検証し直す」のか、「売る相手(ターゲット設定)の再確認」が必要なのか、「視点移動」による仮説・検証を行うのかなど、ロングテールのマーケティングではいろんな観点から課題を考えていきます。
「仮説・検証・実行・反省」の繰り返しを一般にPDCA(PLAN:計画 DO:実践 Check:チェック ACT:改善 の頭文字)なんて呼ぶことがあります。
マーケティングの世界は、小難しそうな横文字・英文字言葉がたくさんでてきます。ですが、要は「当たり前のこと」のことを”カッコよさげ”な専門用語で呼んでいるだけなので、皆さんは難しく考える必要はまったくありません。
PDCAに近い意味の日本語としては、「試行錯誤」「トライ・アンド・エラー」などが挙げられるでしょう。
【 失敗は成長の糧 】
最初から全ての答えがわかっていればみんな億万長者になれますから、誰も苦労しません。
ですが、現実はそうではないですよね。だからこそ、「とりあえずやってみよう。やってみなければわからないじゃないか!」の精神で仮説・実行を繰り返して成長していくんです。
PDCAについては、一度書店などで専門書を手に取ってみると分かりやすいと思います。
SEO対策でキーワード戦略を練るときもロングテールの考え方を使う!
SEO対策を行う場合も「ロングテール」の考え方は避けて通ることができません。
かの有名な「Googleのキーワードプランナー」で調べることができるキーワードのうち、検索ボリュームが多いもの、或いは、検索結果画面で「検索ヒット数」が多いものを「ビックキーワード」などと呼ぶことがあります。(※)
(※ 「ビックキーワード:ボリューム大」「ミドルキーワード:ボリューム中程度」「スモールキーワード:ボリューム小」の違いの定義は、専門家によって意見が異なる場合があります。)
ひと昔は「ビックキーワードで上位(1位~3位)を取れば勝ち確定!」といった風潮・考え方がありました。
ですが、誤解を恐れずに申し上げると、今現在はビックキーワードで上位占有を狙うことに固執する必要はほとんどありません。
その理由は以下の通りです。
- 既に上位(1位~3位)を占有しているサイトの更にその上位を取ることが非常に難しい(費用対も悪い)
- 上位を取ったからといって必ずしも成約数が爆発的に増えるわけではないため
- ユーザーの検索意図にマッチしていないキーワードは時間が経つと順位が落ちる可能性
- ビックキーワードを占有せずにSEO対策を行うテクニックが存在する
これは、「SEO対策とはなにか?」でも簡単に触れましたが、すでにキーワードで順位を安定して取得しているサイトを蹴落としてその『マウントポジション』を取ることは現実的にかなりハードルが高いです。
また、仮に100歩譲って1位~3位をとれたとしても、成約・CV(コンバージョン)(※)が検索順位に比例して発生する保証はありません。
(※ 電話問い合わせ・メール注文、Webからの購入など、成約に至る顧客の行動のことを「CV(コンバージョン)」といいます。 例:メールからの注文10件 ⇒「CVが10個発生した」)
その一つの理由として、グーグル公式ページでも公開されているガイドライン中の「キーワードとユーザーの検索意図との整合性」の問題が絡んでくるからです。
例えば、ブラックハットSEOなどのリスキーな手段で一時的に検索順位を吊り上げたとしても、アナタのWEBサイト内の情報が検索エンジンユーザーの平均的なニーズと噛み合っていなければ、一定期間後に検索順位を落とされることもあるからです。
もう一つの理由としては、「ビックキーワード」に固執しなくてもSEO対策の効果を得られる施策は十分実施することが可能だからです。
これについては別の紙面で詳しくご紹介してみたいと思います。
まとめ
- まとめ
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- ロングテール戦略を立てれば売上を長期安定化することができる
- 失敗は成長の『糧』。常に多角的な視点で課題を考えることが大事
- SEO対策においても「ロングテール」的な戦略が存在する
最後までお読みいただきありがとうございました。